カテゴリー別アーカイブ: ●不動産鑑定評価とは?

相続税や固定資産税の評価を見直してもらうための評価

税務上の評価

相続税
相続や贈与がされると、不動産については相続税や贈与税を課されることがあります。対象になった不動産の時価が相続(贈与)されたことになります。不労所得の一つとして、課税されることになるのです。
捕捉漏れが起こっていた財産も相続時には明らかになって税金逃れができない仕組みです。

 しかし、不動産には市場がありませんから価値が分かりにくい特性があります。 続きを読む

同族会社や取締役間の取引の基準価格評価

同族会社間の取引

親族が役員である会社では、取締役の所有する土地に会社がビルを建てていたり、会社の建物を役員社宅にしているケースがあります。前のケースでは会社は地代を取締役に支払う義務があります。その地代が世間相場よりも多いときには取締役に対し
役員賞与を余分に支払っているのと同じことになります。

 役員には所得税がかけられ、会社には地代の一部が費用として認定されなくなります(会社の課税対象利益が増えることになります)。後のケースでは役員から家賃をもらうべきであり、それが少なければ役員が得をしていると見なされ、所得税がかかります。 続きを読む

会社資産の再評価(時価評価)

会計基準もグローバル化してきました

海外との取引がある会社はもちろん、地元との取引だけしかない会社でも会計基準が世界基準にあっているのかどうかが話題になります。銀行との取引をする以上はグローバル化している銀行から会計基準の近代化が求められるのです。情報公開をするのは経済の流れです。

 今後は会社の中身を丼勘定ではなく、公正な手続きが必要ですが、それだけではありません。会社の持つ資産が会社の目的にあっていて、収益を生んでいるだろうか、収益の低い財産、あるいは遊休資産は時価評価をして帳簿に載っている簿価を時価まで下げなければいけなくなります。大きな不動産がなくても、資産に含まれているのは工場の器具備品や償却資産もあります。数年前には会社の稼ぎ頭であった機械も時代遅れになれば無価値ともなりかねません。常に、資産を見直していく必要が出てきました。

今は十年一昔ではなく、3年(業界によっては1年)で一昔ともなってきました。税務上の償却期間を無視しても資産を更新することになりそうです。

 

下水や地下鉄等、地下や空中を占用するときの区分地上権評価

土地の所有権はその土地の上下に及ぶ、とされます。
しかし、一般の土地では地下10m以下の部分や上空200m以上は使えない部分です。地価の高い東京都心のような土地では高層ビルや地下街も造られ、利用されています。

 しかし、田舎の土地では3階建ての住宅はともかくそれよりも高い建物を造る必要性も少ないでしょう。しかし、使う可能性がほとんど無いからといって、タダで使って良いのでしょうか。使う可能性が低くても一定の価値を認め、その権利を補償する制度が区分地上権です。下水や地下鉄を作るときの部分的な空間利用権をそれぞれの地域に応じて保証しています。

もっとも地下50m以上の大深度はほとんど利用価値を考えられないとして、補償する必要は無いとも考えられています

競売物件の評価

一般の方は「きょうばい」と読むことが多いのですが、
法律家は「けいばい」と読んでいます。

借りたお金を返さなかったりすると、強制執行という手続きで債務者の財産を強制的に売却して返済に充てることがあります。

また、債権の担保として不動産に附けられる物に抵当権があります。これらの権利によって国の執行機関である裁判所が強制的に不動産を売却し、債権者の権利を守る手続きが競売です。

 競売は、物件を公示して入札を行い、最高の価格を入れた人が取得できるようになります。しかし、いくらでも良いというわけにはいきません。その不動産の価値に応じた価格で売却できなければ、国の強制力でその所有者の権利を侵害することにもなります。憲法によって保証された私的財産権の保護と、債権者保護から生まれる法秩序の維持を考え、最低売却価格制度があります。不動産鑑定士は最低売却価格を決定する材料を提供します。

日照権等損害賠償額を決めるための評価

最近の住宅建設の多くはマンションになってきました。
都市の中では、土地の高度利用が求められます。低い一戸建て住宅を想定している低層住宅地域を除くと、法定容積率は200%以上になります。敷地目一杯に建てることはほとんど不可能ですから、

容積率を十分使って家を建てると3階建て以上になります。その結果、北側の家には陽が当たりにくくなります。

 これに対して建築基準法や条例で一定基準の日影の制限をしています。 続きを読む

公共機関(自治体等)が土地を買収したり、交換するときの価格資料

公共用地買収

憲法では、次のように規定されています
日本国憲法第29条
1. 財産権は、これを侵してはならない。
2. 財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める
3. 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる

 道路や公園などの公共施設を作るために必要な土地を国や市町村などの公共団体は買うことがあります。公共(みんな)のために必要な土地ですから、所有者から強制的に買うこともできるのです。しかし、それには正当な補償をする必要があります。不動産は物理的な位置が同じものはあり得ません。株式市場のように相場がない不動産の価値を判定する材料を出すのは不動産鑑定士の仕事です。
不動産の価値より低い補償は正当な補償とは言えません。その反面、不動産の価値以上で購入すると、税金の無駄遣いといわれてしまいます。いずれにしても正当な補償であり、公平に扱うために行政機関は第三者の意見を求めているのです。

鑑定評価にはどれくらいかかるのですか?

鑑定評価書

不動産鑑定士は、国土交通省の監督を受けて業務を行っています。具体的には「不動産の鑑定評価に関する法律(昭和38年7月16日法律第152号)」や、「地価公示法(昭和44年6月23日法律第49号)」の規定によって示された事項を明示する鑑定評価書を作製します。

「不動産の鑑定評価」とは土地もしくは建物またはこれらに関する所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示することを言います。 続きを読む