カテゴリー別アーカイブ: ●遺産分割、相続

慌てる前に税額を計算してみよう

相続税の基礎控除額が変更するのに伴い、雑誌やテレビでも取り上げられることが増えている。

しかし、慌てふためくのは杞憂かもしれない。

たとえば、現在、遺産総額7500万円、子供達3人が相続人の家を例にとると,相続税は非課税になっている。

これが、27年1月以降は、課税対象になる、

だから、『相続対策、相続税対策をするべきだ』というのがマスコミの論調。

ここで、具体的な税額を計算してみよう。

遺産総額7500万円に対し、

基礎控除は現在5千万円 + 相続人数×1千万円

来年から3千万円 + 相続人数×600万円

8千万円の控除が4800万円になる。そのため設例では2700万円に課税される。

但し、税額を計算すると1千万円以下は10% 一人900万円の相続に対して10%、90万円が相続税額となる。

一人2500万円の相続に対して、税額は90万円。3人合わせても相続税は270万円。

この金額を何とかしようとして、相続対策をいろいろ考え、たとえば空き家も懸念されるアパート取得などをしたために、残された子供達の中に紛争の種を蒔き散らかしては、元も子もない。

相続税対策であれば、270万円を別に工面することで十分なのである。

相続対策は、「残された家族がもめないように」、を一番に考えるべきであろう。

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調停委員にも専門が

裁判所の調停委員には、民事調停委員と家事調停委員が居ます。
調停は、裁判所の紛争解決の仕組みの一つ。話し合いでお互いに相手の言い分も聞き、よりよい解決を早くすることが出来ます。裁判官の出した判決と同様に法的な拘束力(執行力)もあります。
判決と異なるのは、当事者が合意をするかしないか判断することであり、合理的合法的であれば自由に決められます。その反面、合意が成立しなければ調停は不調、強制的な解決は出来ません。その調停ですが、民事の事件は地方裁判所(簡易裁判所)で行い、夫婦、親子など家事に関する事件は家庭裁判所で行います。

不動産の分割に関することでも、当事者が第三者であれば地方裁判所で民事調停委員が、遺産分割などは家庭裁判所の家事調停委員が担当します。
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相続対策にも財団法人

会社の筆頭株主が財団法人の企業もあるらしい。
相続対策の財団法人(日経20140701)

ブリジストンの筆頭株主はブリジストン美術館を運営する石橋財団。
京セラの稲森財団は「京都賞」を設け社会に貢献している。

その一方、安定株主を確保するために行う株式の分散にも財団が利用されているようだ。財団の理事を会社経営の中心家族で占めていれば、会社乗っ取りの不安もない。
さらに、財団に寄付した財産は遺産とはならない。その分、遺産総額は減少する。オーナーに美術品などの資産が多いのなら美術館を作り、それを管理運営する財団を設立、オーナーの資産を財団に寄付すれば良い。財団への寄付は譲渡に当たらず非課税となる。
一朝一夕に財団を設立できるわけもないが、長期的に考えると、相続税対策にも有用である。

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相続税増税への過剰反応

来年(h27年)から相続税の基礎控除が引き下げられる。
5千万円プラス相続人数×1千万円が
3千万円プラス相続人数×6百万円になる
だから、これまで非課税であった家も来年からは課税されることになる、税金対策を急がなければ、ということだそうだ。

しかし、よく考えてほしい。
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姑の介護

『長年介護をしたのに相続でこんなことになるなんて』

調停の席で長男が嫁の貢献について語り、ぼやいた。

かつて、長男の嫁は同居した舅、姑を十二、三年世話し、看取った。

それが、今では二十年以上加わり、ときに嫁よりも姑が長生きしている。

『親の介護を子供が見るのは当たり前』と言い切る自民党の重鎮には、この現実は分かっているのだろうか。

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相続人の数と遺産総額

関東信越国税局の発表する平成23年相続税申告状況を見ると、遺産の課税額1億円までの相続人は2~4人であり、5人以上は居ない。

しかし、1億円以上の課税価格になると、相続人が増えてくる。

1億円以上の資産家は養子縁組をするなど節税対策をしていることが多いのだろう。

h23 相続人数 相続税統計(関東信越国税局)

 

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相続税の総額

相続税の総額は、減少している。
一番多くを占める不動産の価格が低下して、平成6年当時から見ると、半分以下
これに対して、現金預貯金は総額として増加し、比較的に割合が高まっている。

しかし、それも来年まで、2015年(平成27年)以降は、不動産が増えてくるのだろう。

相続税申告総額

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相続税対象者数

バブル崩壊後20年あまり
土地価格が下がったとは言え、相続税を納める人の数は徐々に増えてきている。
相続税対象者数

それぞれの遺産総額は減少してきても、被相続人(亡くなった方)の数が右肩上がりなのだ。

平成6年頃の88万人が今や126万人、1.43倍にふくれあがっている。したがって課税対象になる亡くなった方は全体の5.1%が4.1%に減っているにもかかわらず、分母が大きいから、課税対象者も増えてしまう。

さらに、2015年1月からは基礎控除額が3千万円と一人あたり600万円に引き下げられる。対象者は6.1%に増えると予想されている。

金持ちだけの相続税ではなく、ちょっと資産があれば課税対象になる、と言えそうだ。

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