財産が少なくても争族は起こる

調停に持ち込まれる事件の遺産額はあまり多くない。
むしろ、なぜそんな少ない額なのに、と思われるかもしれない。

isanbunkatu-zaisan

遺産は自宅だけ、相続税の申告は必要ない、という人は多い。
しかし、財産額が少なくても、自宅だけというときにはその自宅に住み続ける人が取得すると、他の相続人に渡すものがない。本来払うべき代償金を出せないことが多いのだ。
あるいは、残された妻の介護が必要な場合、本来相続とは関係のない老母の世話を誰が見るか、決まらないために遺産分割が進まない。財産が少ないからこそ誰も引き受けたくない、というのだ。

親の扶養が打算と考えるような状態になるのは、「貧すれば鈍する」なのだろうか。
老母の心を思うと悲しくなる。

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