遺産分割の評価
相続が発生すると、マイナスの財産(借金)も含めて相続人が遺産を承継します。マイナスの財産を受け継ぎたくないときには、限定承認するか、相続の放棄をします。法律で決まった期限までに手続きをしなければ、亡くなった人の地位を承継することになります。
相続財産を処分したとき(預金を払い戻したり、使ったりすることも含まれます)には、相続放棄をしないことを明らかにしたことになります。
遺産が現金や株券ばかりであれば、それがいくらであり、どう分けるかはすぐ分かります。しかし、骨董品や不動産はそのままではいくらであるのか、分かりにくいのが現実です。不動産はほとんどの場合、価値が大きいので1割の差でもウン千万円ということもあります。倍額になると大きな違いになります。
遺産分割(相続)に関する鑑定士の仕事として、一つは相続財産の時価を求め、相続税(税務申告)のために行うものがあります。もう一つは、相続人が複数であり、遺産をどう分ければ公平になるのか、を明らかにする仕事があります。
この場合、不動産をすべて一人の人が取得し、他の人は現金で精算するのであれば、不動産そのものの価値を把握するだけで十分です。
問題が複雑になるのは、不動産を取得したい人が複数いて、その分割の仕方によっては価値が大きく変わるときです。
大きな土地を2つに分けるときに、道路に同じように接する土地が2つできるのであれば、どちらが得とも言えないことが多いでしょう。しかし、道路沿いと奥の土地ができるときには使い勝手が大きく違うでしょう。それに応じて価値も大きく変わります。
どうすれば公平になるのか、いろいろなシミュレーションをして分割方法をアドバイスできるのも、
不動産鑑定士の豊富な経験と、広い専門知識の賜です。
詳しくは、私の書いた小冊子が市販されるようになりました。よろしければ読んでみてください。
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