比叡山

元旦、比叡山に向かった

ケーブルに乗るときに「雪のため、シャトルバスは休止しています。延暦寺に行くのには雪道を30分歩くようになります」駅の女性が案内していた。

(上に行ったら、どうにかなるかもしれない バスかタクシーがいるかも、山頂から景色を見るだけでもいい))
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比叡山山頂駅に着くと零下12度を示している。

バスターミナルまでは5分と書いてある。「とりあえずそこまで行ってみようか」
積雪は5センチくらいだろうか、新雪の上の方が滑らない。
広いバスターミナルは一面の雪景色、誰もいない。眼下に琵琶湖が見えた。
バスも来ないのだろうか。少し待っても変わらなければ、ケーブル駅まで戻るしかないのか。
トイレから戻ると、車の音がする。バスターミナルには延暦寺会館の軽自動車がいた。
若い男性が「いたばしさんですか」
「ちがいます」(「い」と「し」だけは一緒だけれど)訊いてみると、今日お泊まりのお客さんを迎えに来たらしい。
「延暦寺まで乗せていただくこともできますか?」
「お客さんの外に空席ができればいいですよ ケーブルに乗ってきた人はいませんでしたか?」
「我々が下で乗るときに、年配の人が「今日泊まるのにバスが出ると言っていたが–」と話していた。あの人たちでしょうかね、でもその人はケーブルに乗ってこなかったですね」
少し待っていると
若者は、
「こうしている間に、チャッチャッと行ってきましょう、乗ってください」「歩いていたら、今日は40分でもつきませんよ」
車に乗ったら5,6分の距離、すぐに駐車場に着いた。
「そこを進むと坂本へのケーブルに乗れます」本当にありがたかった。
新雪に覆われた正月の延暦寺、静かな山中の初詣はこれまでにない珍しい体験だった。
DSCN4649川越喜多院に縁の深い天海僧正の碑もあった
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それなのに、乗せてくれたあの男性のお名前をうっかり聞きそびれてしまった。
あのときの車だけでも写真に撮っておけば良かったのに。お礼状も書けないが、ホームページから感謝申し上げたい

「元旦の11時頃、山頂バスターミナルから車に乗せてくださった延暦寺会館の方、
本当にありがとうございました」

冷たい雪の中でも延暦寺は心温かい人たちのお寺だった。