空き家問題

空き家については、様々な方策が出てきた。

空き家は所有者にとって 管理の負担がある
税金等費用負担がある
売ることに心理的負担がある

空き家であっても住宅用である場合には、今のところ固定資産税は200㎡まで6分の1課税、それを超える部分が3分の1課税と軽減されている。

一般的には、300平米以下のものがほとんどであろうから、300平米と考え、時価平米10万円の土地であれば、時価が3千万円、固定資産税課税標準額は2千万円程度(6.5万円/㎡)であろう。

 (6.5万円×200÷6)+ (6.5万円×100÷3) =433,333円 ×0.014(固定資産税標準税率) =6,067円

もちろん、このほかに都市計画税があり、建物にも課税される。
むしろ、都市計画税や建物の報が多いとも言える。しかし、通常、空き家の多くは築後数十年経過した建物であるから、建物に対する固定資産税と都市計画税は数万円であろう。

しかし、そうはいっても何にも使わず、収益も産まない不動産に毎年数万から十数万円のお金を負担し続けるのは、気が重い。

そこで売ろうとしたときに、これまでは居住用財産とはされなかったため、通常の不動産売却の譲渡所得税が課せられていた。
被相続人から引き継いだ取得価格は、通常かなり低い。したがって見なし取得原価たる、売却価格の5%が適用になり、売却額の9割方は課税対象になってしまう。
税率は2割とはいえ、手間がかかる割に仲介手数料を引いた手取額が少なくなると、売却するのにも気が重くなる。

そこで、国が用意したのは、昭和56年3月以前建築の家屋および敷地であれば、空き家であっても居住用財産と同じ3千万円控除を適用しようというもの。
条件としたのが、耐震基準適合建物付か、あるいは除却して更地化してから売るということを加えた。
空き家譲渡所得特別控除

これは、大都市の空き家を想定していると考えられる。

大都市でなければ3千万円もの控除額を満たすことはあまりない。
しかし、地価の高い東京では、たとえ百㎡でも4,5千万円になるものがあり、3千万円の控除は大きなメリット。空き家の多くは管理が不十分であり、不審火も予想される。新耐震基準以前の建物対象であるから災害時には、倒壊の恐れもあり、災害出動にも障害物となる。そうした空き家を除却してくれれば災害時の支障物がなくなる効果がある、ということだ。

それにしても、居住用財産売却の特別控除対象面積が200㎡から330㎡まで拡大されたり、今回の空き家譲渡所得の特別控除も、価格の高い地域に有利な制度。
東京などに住む財産家に利用されることが多くなる、と思われる。