1Q84

村上春樹の「1Q84」を読みました。

読みやすい文章でした。

主人公の父親が施設に入り、やがて死を予感した時に彼が行ったことは、

葬儀の内容を業者と相談し、前払いしました。
相続人に渡すべき資料、財産を一覧表にし、弁護士に託しました。
施設に対する費用も前払いしました。
残していく一人息子に余分な負担を掛けることなく、自分の始末をしました。

医者が言います

「どこといって悪いところはないのだが、確実に死が近づいている。60代という年齢を考えると老衰はあり得ない」
死んだあとに
「死因なのですが、長期の昏睡による心臓不全による死亡でよいでしょうか」

臓器が悪くなったから死に至ったのではなく、
本人が死にたいから心臓が停止した、とでもいうように。

人は食事がとれなくなると確実に衰えます。
年老いてどこが悪いわけでもないのに「食事を欲しがらなくなる」というのも、死を達観した老人の意思の表れなのかもしれない、と思っています。
「即身仏」になることは、俗人には苦しいことと思っていましたが、死を覚悟している老人には食事をとらないことが自然なことなのかもしれません。

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