相続で後悔しないように (その8)

そもそも どうしたらよいか分からず、ただ不安

相続の手続きはどなたも初めてでしょう。分からないことがあって当然です。
葬儀、お墓のことはそれぞれ業者、檀家寺等にお聞きすればよいことです。相手がいることは期限もありどうにかなるものです。

しかし、相続は自分から動かないと何も変わっていかない手続きでもあります。

預貯金を預かる金融機関は、死亡したことが分かるとその人の口座を凍結します。今までATMで下ろしていたことができなくなるのです。銀行は家族から届け出が無くとも、町中の葬儀の案内板や斎場の表示などを行員が見て確認します。銀行からすると預金した本人がいなくなったのですから、本人でない息子たちに預金を支払うと相続人間の争いに巻き込まれてしまいます。それを避けるため口座は凍結し、相続人全員の印鑑証明を求めるのです。

証券会社も同じです。
不動産については、法務局に相続登記をするまでは何時までも亡くなった方の名前が残ります。

これらの相続手続きをするには、亡くなった人の戸籍謄本(生まれたときから死ぬまで)除籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、住民票、不動産について固定資産台帳(写)、登記事項証明書、預貯金の証書(通帳)、証券の預かり証などが必要です。

亡くなった人が本籍地を動かしていると,死亡時に住んでいた市町村役場では済まないことがあります。結婚、養子縁組などをしているときも同じです。

相続人全員の戸籍謄本、住民票。これを集めるのが大変なときがあります。
相続発生から長い年月が経っている案件では、相続人が遠方にも移り住み、中には亡くなっていて息子たちに権利が移っていることもあるのです。
どこにいるのか、これで全員なのか、確定するのにも苦労することがあります。
住所地が分かっていれば、管轄の市町村に郵便で請求することも可能ですが、時間はかかります。

調停を申し立てるのは1200円の印紙だけ、と簡便なのですが、添付する資料を集めるのに苦労したから、もうやりたくない、と言う人もいるのです。

その意味でも相続は、思い立ったときにすぐに腰を上げるべきで、いつかやろうというのは解決をより遅くするもの、といえます。

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