借地と底地の交換のための評価

借地は古い町ほど例があります。
田舎ではあまり価値が話題になりませんが、東京の23区内になると、借地権付き建物の取引が多く見られます。中には借地権の上の載ったマンションもあります。

 それでも、借地は地主さんの土地を借りているものです。地主が変わったりするとこれまでのつきあいが変化することもあり得ます。地主にとっても借地は地代をもらえるだけで固定資産税プラスα程度の地代なら、地主のメリットはあまりありません。お互いに不安定な状態であるのが借地関係です。いつか、時期を見て何とかしたいと思っているのが当事者心理です。双方が解決したいと思っていてもどうしたらよいのか分からないのが実情でしょう。

そのときに地主が底地を借地人に売ると、譲渡所得税の問題があります。一方、借地を地主に買い取ってもらいたいといっても、ない袖は振れないといわれればそれまでです。そのときに借地の一部を地主に返すのと交換に底地の一部をもらうことで、双方が完全所有権にすることができます。そのときは借地の一部と底地の一部の交換であって、差額がないのなら譲渡所得税の問題は起こりません。

双方が話をできる時期に、第三者である不動産鑑定士が公平にアドバイスする、私は毎年1,2件そうした相談を受けています。