鑑定評価のニーズ

不動産鑑定評価の仕事は、銀行の担保評価や
裁判所からの鑑定依頼によって行われてきた。それが昭和39年に法律が施行され、地価公示制度が整備されることで社会的に広く知れ渡った。
「地価公示価格は取引の指標である」と書かれてある。しかし、その頃の不動産鑑定士の仕事は官公庁や銀行など、
不動産についてよく知っている人たちが依頼してくるのがほとんど。洋服にたとえれば、オーダーメイドと言えるだろう。
それも致し方ない。不動産は二つと同じものがない、という特性を持っているから、それぞれの土地の価格を求めるのに第三者の意見を聞く、それが不動産鑑定評価である。仕事として必要なときに求めることが多く、依頼者もプロと言える。

ところが、時代が変わり、情報の精度も仕組みも高度化してくると、不動産を日頃扱わない人たちにも価格を知りたいというニーズが生まれてきた。
それに対応しようというのが、簡易な評価であり、調査報告書である。
鑑定評価書ほど精緻で時間をかけなくても良い、結果だけが知りたい、というニーズに応えるものである。洋服にたとえると、イージーオーダーであろうか

それでも対象不動産について、ある程度の調査をして求めている

もっと簡略化したいというニーズもある。
相場が知りたいのであり、ごく短期に結論だけ1枚のレポートでよい、というものである。
鑑定士が既に持っている知識を示して欲しいのであり、改めて調査まで求めない。
洋服で言えば、吊しの服を一部丈つめして欲しい、ウエストを3センチ伸ばして欲しいというものであろうか。

考えられる評価法としては、
付近の地価公示価格と比べてどのくらいになるのか、個別格差割合を示して規準価格を提示することが考えられる。

従来の鑑定評価    プロが依頼        オーダーメイド
調査報告書       時間をかけずに     イージーオーダー
レポート          相場の目安    吊しの服を修正

現場の高低差や周囲の状況によって価格は大きく変化することがある。荒っぽい結論であると明示しても、出した価格に対する責任の問題があるから、私は机上で行うべきではないと思うが、よく分かっている土地であれば、依頼のその場で報告書を出すことも可能であろう。
更地の1画地だけ、と限定すれば良いのではないだろうか

鑑定評価は(有)埼玉不動産鑑定所へ