誰でも必ず起こる相続

高齢化社会、核家族化が進むにつれて、相続や遺産分割にお悩みの方が増えてきました。

これは、資産が多くあるから、ということではありません。家庭裁判所の調停に現れるのも資産1千万円以下の事件が結構多いのです。
さらに悩みの種は、立場によっても違います。

(1) 残された家族が相続税を納められるだろうか?
(2) 残された妻(あるいは病気の子ども)の生活費は?

(3) 残された妻(あるいは病気の子ども)が住んでいく場所は大丈夫か?
(4) 農家や自営業などの家業が続いていくだろうか?
(5) 自分が死んだ後に、家族で揉めてしまわないだろうか?
(6) 隣地との約束事、借地関係など、自分しか分からないことがある。子どもたちがやっていけるだろうか?
(7) 遺言等、必要な手続きをしておきたいが、どうすればよいか分からない
(8) 子どもとして、親の相続のことを本人に言うのは言いにくい
(9) 高齢化してきた親に痴呆の様子が現れてきた。どうしたらよいのか
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お困りの内容はそれぞれの家族の歴史に応じて、それぞれです。
さらに問題解決がしにくいのは、相続に慣れた人はほとんどいないことです。その反面、相続問題を複雑にする情報はたくさんあります。どうしたらよいのでしょう。

かつて、土地神話の時代には、相続税評価額を下げるために、ローンを組んで賃貸マンションを建てることが節税と言われました。たしかに、住宅ローン分の債務が控除され、建物は時価よりも低い評価額になる、土地も貸家建付地として8掛けにされる。結果としてかなりの節税になりました。
ところが、バブルがはじけ、土地価格が下落して資産価値が下がりました。税法も変わりました。賃貸マンションという資産運用の一つです。徐々に資産は増えていきます。建てた直後に相続が発生すれば、計算通りの節税ですが、10年もすると、その間の家賃が遺産を大きくしていきます。
いずれにしても、資産は徐々に分散化していかなければならないということになります。

相続の悩みについての答は一つではありません。それぞれの方の家族構成、資産や家業のこと、様々な事情に応じて最善の案を選択していくしかありません。
そうした悩みは、不動産に詳しい専門家にご相談されるべきでしょう。多くの税理士さんは所得税、法人税には大変お詳しいのですが、相続を経験されることは、ごく稀です。私は不動産のプロである不動産鑑定士が、税理士さんや司法書士、あるいは弁護士さんともチームを組んで解決することをアドバイスしています。

一生に何回もないのが相続なんですから。

鑑定評価は、埼玉不動産鑑定所へ