カテゴリー別アーカイブ: ●遺産分割、相続

区画整理施工中の土地

土地区画整理事業は、道路や公園などの都市施設が不足している地域において、土地所有者が土地の一部を提供することによって、環境を整備し、土地全体の価値を高めることを狙っています。

事業を推し進めるためには、事業が終わるまで事業の支障になる建物が増えるのは避けなければなりません。そのため、都市計画事業として認定され、建物建築が一部制限されます。

しかし、土地区画整理事業は建物移転や道路築造など、結構時間がかかります。

その間、建物が建てられないと、収益もあまり期待できない土地でしかありません。

税務上は、減額すべき理由ではありませんが、その土地の置かれている状況と利用の現況を検討すれば、評価額を下げることも可能になるのが土地区画整理事業地内の土地、と言えます。

鑑定評価は、埼玉不動産鑑定所へ

 

都市計画道路予定地

都市計画法では、市街地開発事業(都市計画事業)の区域内の土地について、利用の制限をしています。

(建築等の制限)

第五十二条の二  市街地開発事業等予定区域に関する都市計画において定められた区域内において、土地の形質の変更を行い、又は建築物の建築その他工作物の建設を行おうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければならない。

軽微な変更は良いのですが、移動困難な建物利用は許可を受けなければならず、一般に2階建ての木造住宅はかまわない、とされますが、ビルの建築はダメ、とされます。

道路や公園など都市計画事業の計画は戦後、多くの市で立てられました。戦後70年経過しましたが、今も計画だけ、事業化の見込みが立っていない事業計画は数多くあります。予算もないこともさることながら、とりあえず計画の網をかけておいた、というものも多いのが現実です。

『向かいの土地はビルが建てられたが、私の土地は2階建てしか建てられない』ということもあるのです。

事業化になれば公共用地買収により時価で買い取られますが、それが何時になるか分かりません。

それまでは低層利用しかできないのです。

高度利用ができる向かいの土地とは、収益性も違います。その分評価も下がることが考えられます。

鑑定評価は、埼玉不動産鑑定所へ

整地の必要な土地

既に市街地になっているところは、ほとんどが宅地でしょう。建築をするのに改めて整地工事をする必要はあまりありません。

しかし、田んぼのように粘土質の土地は、盛り土した後安定化するまで建物を建てるのは禁物です。

ここでは、整地工事を示しましたが、平にするだけではなく、建物敷地として使える状態にする必要があるのです。

また、地下に何か入っていたら、それを除去して盛り土することになります。

先日、工場の調査をすることになりました。所有者に聞いてみると、工場のタンクが地下に埋まっていること、それを除去すると同時に隣接する河川の護岸工事が必要になること、最近は使っていないが、30年前までは土壌汚染対策法の指定物質を使っていたことなどが分かりました。

工場が最有効使用とは言えない地域です。周りはほとんど住宅が張り付いています。

したがって建物除去費用の見積もりにはタンクの除去と盛り土復旧、護岸築造の他、土壌汚染の有無を確かめるボーリング調査も必要になります。

こうした土地を購入する人は、現在の所有者(売り主)に費用を請求できるのが原則です。

言い換えれば、売り主はそうしたリスクのないことを証明して初めて売れることになります。その分だけ土地の価格は低くなってしまうのです。

 

鑑定評価は、埼玉不動産鑑定所へ

高圧線下地

電力会社の発電所は、火力、水力、原子力等々。いずれにしても利用者の多い市街地の近所にはないことが多いのです。発電所から都会までは高圧線によって電気は運ばれます。

高圧線が上空を通る時、下の土地には影響あります。

高圧線を管理する電力会社や電鉄会社などは、それぞれ利用が続けられるように登記や契約手続きをしています。

(1)高圧線に影響のある行為を禁止する地役権が設定されている土地

(2)地役権でなく債権契約がなされている土地

(1)の土地は、登記簿を見ればすぐに分かります。しかし、(2)の土地は契約当事者である所有者、電力会社に確認しなければ分かりません。上空に高圧線が走っているのなら、要注意です。

ただし、高圧線が上空にあってもかなり高いところです。20あるいは30mを超える部分のため、通常の住宅利用であれば直接支障になることはありません。昔のように火花が散って火事になることもあまりありません。そのため、一定の電圧以下の場合には建築が認められる土地も多く存在します。

それでも、テレビの映りが悪い、心理的に圧迫感があるなど、毛嫌いされることの多いのが高圧線下地です。

鑑定評価は、埼玉不動産鑑定所へ

 

崖地、高低差のある土地

対象地が道路と等高あるいは、水はけを考え道路よりも少し高い土地が好まれます。

図の中で、網線部分を傾斜地としていますが、この部分が高い、あるいは低いとなると、道路からの出入りには階段が必要になるでしょう。何よりも土地が崩れないように土留めや擁壁も必要かもしれません。

こうした土地は出入り口の場所が制限され、駐車場利用もしづらいことになります。そのため利用できる用途や建物にも検討が必要です。

道路が北側にあり南側が低くなっているならば、傾斜に併せて建物を階段状に作る(2階あるいは3階を入り口にする)ことも考えられます。別荘地などでは好まれることもあります。

ただし、排水先を確保する、あるいはポンプアップするなど、それなりに経費もかかります。

単価としては、整形の土地の方が高くなるのが普通です。

鑑定評価は、埼玉不動産鑑定所へ

 

旗竿地の人気は?

間口が狭く、奥に行って広がっている土地を袋地と言います。

その中でも、通路部分が長く、奥の部分(有効宅地部分)が整形になっているような土地が多くあります。

旗竿地とも言います。

奥の部分だけでも標準地とほぼ同じ面積があります。

住宅地であれば、標準地と同じような建物が建つでしょう。

また、通路部分は駐車場として使うなら、カーポートが建物敷地に食い込まずに使いやすい、とも言えます。都心の住宅地の場合には、道路添いよりも奥に入ったところに家があるのは閑静だとして好まれることもあります。

しかし、それでも総額で標準地の価格を袋地が上回るのは、少ないのです。

総額を面積で割った単価は標準地よりも下回ります。

有効宅地部分が間口狭小であることと、通路部分の価値が低いからです。

さらに、袋地の利用は専用住宅2階まで、と制限されることもあり、利用方法が多くある標準地とは将来性も変わります。

鑑定評価は、埼玉不動産鑑定所へ

 

 

形状の悪い土地は人気がありません

土地は、地球の表面を区画したものです。物理的位置もさることながら、それぞれの土地のカタチは違い、希望の建物が建つかどうかも大きく変わります。

整形(長方形、正方形)の土地であれば、おおむね使いやすいと言えますが、不整形地

形の悪い土地は、建物を載せようとしても載らずにはみ出してしまう、あるいは使いにくい三角形の部分が残ってしまいます。

使いにくい土地、全体を使えない土地は人気が下がりますから、それだけ売れる価格も下がるのは当然です。

不動産鑑定士の評価額も低くなってしまいます。

鑑定評価は、埼玉不動産鑑定所へ

面積の大きな土地

面積の大きな土地は相続税の申告をする時に、税務署は『広大地』として減額することを認めています。

1 広大地とは

広大地とは、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で、都市計画法第4条第12項に規定する開発行為を行うとした場 合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものをいいます。ただし、大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているも のは除きます。

広大地と認められると、

  1. (1) 広大地が路線価地域に所在する場合
    広大地の価額=広大地の面する路線の路線価×広大地補正率×地積
    広大地補正率=0.6ー0.05×(広大地の面積÷1000㎡) たとえば、3,000㎡の土地であれば、広大地補正率は、0.6ー0.15となって0.45。路線価の半値以下になります。奥行き長大などでは到底計算できない額まで下がります。

ただし、広大地と認められるためには

その地域における標準的宅地の面積に比して著しく地積が大きいこと(周囲に大きな土地があればダメ、と言うことがあります)

地積の大きな土地は、通常開発に必要な公共的負担が大きいことも考慮されているのです。

地域の状況と関係する行政機関の扱いを知らなければ、判断ができないことが多い、と言えます。

その一方、広大地に認められる効果は絶大です。

広大地にならないと、1億円とみられる土地が4,000万円になることもしばしばです。6千万円の減額、税率20%ならば1,200万円の相続税が減額されます。

広大地認定となるか、検討してみるのは、至極当然のことでしょう。

 

鑑定評価は、埼玉不動産鑑定所へ

 

 

土地はそれぞれ価値が違います

「不動産は同じものが二つと無い」と言われますが、並んでいる土地でも価値は大きく変わることがあります。

特に、一般の人が手を出さないような『条件の悪い土地』は、隣の土地の半値以下になることもしばしばです。

次のような土地は、相続税や固定資産税の評価基準ではあまり減価を見ない土地ですが、実際はその評価では売れない土地です。鑑定評価をすることによって税金が減額される可能性が高い土地と言えます。

ただし、必ず減額されるとは言えません。

それは、相続税路線価や固定資産税評価は時価よりも2~3割低い水準を基礎としているからです。個別格差で変わる

時価と相続税、固定資産税の関係

面積の大きな土地(広大地)として相続税申告が認められると最大65%の減価になります。認められるのと、否認されるのでは大違いです。

しかしながら、広大地の認定は簡単ではありません。多くの税理士さんはおっかなびっくり!

それもそのはず、『広大地でいける』と思っていた申告を否認されると、過少申告加算税をかけられる恐れもあるからです。税理士としてもプロの看板を問われかねません。

その点については、不動産鑑定士の出番です。税務署を説得できる材料をそろえて提出します。無理なことはできませんが、可能なのか否かを検討することは必要です。

 

 
鑑定評価は、埼玉不動産鑑定所へ

相続税が戻ってくる かも?

平成27年1月現在、税理士事務所は75,031箇所

相続税申告された被相続人数(死亡者)54,421人

税理士事務所あたりでは、0.72件しか相続税申告はありません。
そのため、税理士事務所の仕事は、法人の財務管理、申告、個人の所得税申告がほとんどです。

相続税の申告に慣れていない税理士がほとんど、といって良いのです。

また、不動産はそれぞれの土地や建物に個性があり、市場で売れる価値はなかなか分かりません。
そのために不動産鑑定士制度が昭和39年に生まれ、今年、協会設立50年を迎えます。

不動産の価値が分かりにくいことは、相続税の財産評価基準を機械的に適用した場合に、時価とは違う価格を計算し、申告してしまうことがあります。
時価よりも低めの申告額であれば、納税者に負担は生じません。しかし、時価よりも高く評価した申告であると、その分は余分な納税をしたことになります。

税務署は、過少な申告には厳しくチェック、修正申告を促します。しかしながら、過大な申告をしても、それを指摘することはありません。

そのため、誤って過大な申告をした人のために設けられている制度が、更正請求(相続税の還付請求)です。

弊社では、相続税申告された方に更正請求すれば、税金が戻ってくるのか(その可能性があるのか)、調査するサービスを始めました。

戻ってくる可能性があれば、弊社の関係する税理士事務所が手続きを代行します。

調査と更正請求に関する費用は、成功報酬(還付金の一部からいただきます)ですから、経費はかかりません。

全くの負担、リスクのない手続きと言って良いでしょう。

「お世話になった税理士さんに悪いのでは?  迷惑はかからないのか?」

更正の請求は、税務署内の申告を受付する部門とは別の部門が担当します。担当した税理士に迷惑はかかりませんし、医者もセカンドオピニオンを歓迎するように、士業も専門性が重要になってきました。相続に詳しい税理士と不動産鑑定士が還付のお手伝いをするのなら、担当税理士もきがらくになるのではないでしょうか。

いただく報酬は、還付金の20%+50万円
たとえば、1,000万円の還付なら、250万円を引いた750万円が納税者の手元に戻ります。

鑑定評価は、埼玉不動産鑑定所へ